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中3男子自殺から20年、いじめ対策浸透…岡山

岡山県総社市の総社東中3年、菅野明雄君(当時14歳)が、いじめを苦に自殺してから、29日で丸20年となる。

 

 この間、市教委は明雄君の父泰樹さん(64)、母康恵さん(62)らといじめ防止手引書を作り、市内4中学校の1年生に毎年配布。さらに、不登校やいじめの未然防止を目指す教育プログラム「だれもが行きたくなる学校づくり」を小中学校で進めてきた。いじめの件数は減少傾向で、泰樹さんは「取り組みを根付かせて」と願う。

 明雄君は1994年5月29日に行方不明となり、翌明け方、雑木林でいじめを指摘したメモを残して自殺しているのが見つかった。

 泰樹さんらは「二度とこのようなことが繰り返されないよう、いじめ防止に役立つ指導資料を作りたい」と要望。市教委は95年、実例を参考に具体事例や対策などを盛り込んだ「いじめをなくすために」を作成した。3年ごとに内容を見直し、今年度配布している第6版ではインターネット上のいじめも詳しく取り上げている。

 学校だけで対処できないケースについて、スクールカウンセラーらを含めたチームで取り組む方法などを示した「だれもが行きたくなる学校づくり」も、2010年度から19の全小中学校で導入。今年2月には、いじめ防止対策推進法に基づいて、「市いじめ防止基本方針」が策定された。

 その結果、市内の年間のいじめ発生件数は、1996年度の中学19件、小学校38件に比べ、2006年度はそれぞれ2件と5件と、大幅に減少。07年には文部科学省がいじめの定義を広げたため、件数は増えたものの、中学は減少傾向にある。

 手引書作成にかかわった藤井和郎・総社西中校長は「常にいじめではないかという視点を持ち、いかに早くいじめを見つけて対処するかが重要。これまでの取り組みで、生徒の間に良い人間関係がつくられてきている」と成果を語る。