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ママの子連れ海外赴任 打診に「えっ」、ある家族の決断

海運大手・日本郵船の女性社員が、子連れで、シンガポールに赴任した。夫を日本に残し、女性が子どもと海外に転勤するのは、国内企業では珍しい。男女とも同じキャリアを積ませようとした会社と、受け入れた家族の決断を追った。

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 日本郵船社員の石井知子さん(38)は5月から、シンガポールにある現地法人のシニアマネジャーとして働き始めた。南アジアのグループ会社を統括する仕事だ。長女(3)は、地元住民が通う私立保育園に通わせている。

 平日は毎朝、保育園の送迎バスに娘を乗せてから、8時半に出社。夕方5時半まで働く。「年齢や性別にかかわらず、働くことが当たり前。みんな元気がある」と驚く日々だ。当初、中国語と英語が飛び交う生活に戸惑っていた娘も、少しずつ慣れてきた。

 「シンガポールに行ってもらえないか」。人事担当者から内々に打診を受けたのは、昨年暮れ。「えっ、今ですか。子ども、小さいですけど……」。驚きと戸惑いを隠せなかった。

 大学を出て、1998年の入社以来、ずっと東京の本社勤務だった。「海外で働く機会があるといいな」と漠然とは思っていたが、結婚、出産した女性が次々と退職した時代だ。自身も結婚、出産を経験するうち、「そんな機会はないだろう」と思いこんでいた。

 メーカーに勤める夫(41)に話すと、やはり「えっ」という反応だった。保育園に通う長女の送り迎えなどは、夫婦で分担してきた。長女を夫や親に預けて、単身赴任する選択肢もあるが、「私が子どもを連れて行こうと自然に思った」。だが、そうなると夫の協力は得られない。

■背中を押した夫の一言

 長女にとっても、引っ越しや言葉の分からない保育園での生活、父親と離ればなれの暮らしと、初めての経験が一度にやってくる。「小さい娘に負担をかけるのは、よくないのでは」。数日、悩んだ。