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中3男子自殺から20年、いじめ対策浸透…岡山2

人権集会、「安らぎの木陰」…

 

 各学校では独自の取り組みも進む。総社東中では1994年以降、明雄君の命日にあたる5月29日頃に全校で人権集会を開くほか、生徒会と教師が「人権のうた」を作詞・作曲して入学式や卒業式などで歌ってきた。2006年度には、「自分の命他人の命すべての命を大切に」などとする人権宣言を全校で採択した。

 泰樹さん夫婦が事件後、「子どもらが木陰でふれあえるように」と4中学校に寄贈した「安らぎの木陰」と呼ばれるケヤキは、各校の校庭で枝葉を伸ばし、総社東中では約7メートルに成長した。生徒会長の3年関浩太郎君(14)はケヤキのそばで、「プロレスごっこなどをしている人を見かけると、いじめにならないように声をかけている。いじめをなくそうという在校生の思いを後輩にも伝えていきたい」と力を込める。

 泰樹さんは「市の取り組みを評価している。総社東中では、生徒会が中心になっていじめをなくすために活動しており、心強い。中学生など多感な時期の子どもを持つ親も、友達の名前や日頃の子どもの動きなどについて常に関心を持ち続けてほしい」と話している。(冨浪俊一)

 「だれもが行きたくなる学校づくり」 総社市不登校児童・生徒の半減を目指し、2010年度から栗原慎二・広島大教授らの研究チームが作ったプログラムを採用して始めた。学校への適応に課題のある児童・生徒をチームで支援するほか、上級生が下級生に勉強やスポーツなどで指導、助言する「ピアサポート」、コミュニケーション能力の向上を目指す「SEL」(社会性と情動の学習)などで構成されている。